お互い様、
が自由をつくる。

「わくワーク」立ち上げ
メンバー対談

わくワークは、ていねい通販のフルリモート・フルフレックス制度。働く場所も時間も、一人ひとりが自分で考え、選ぶことができます。ただし、その自由は「楽に働くため」のものではありません。自分を律し、仲間の状況を想像し、支え合う関係があって、はじめて成り立つものです。本対談では、北海道へ移住した社員の挑戦、コロナ禍でのリモート移行、そして制度を支える「人を信じ抜く」文化について振り返ります。そして、その中で見えてきた、ていねい通販らしい働き方の意味を考えます。

Member

  • 戸田 良輝(2010年新卒入社)

    戸田 良輝(2010年新卒入社)

    「わくワーク」制度の発足当時、ブランド企画部リーダーを務め、幹部としてリモート環境への移行を推進。

  • 奥条 達也(2013年新卒入社)

    奥条 達也(2013年新卒入社)

    当時、カスタマーサービス部のリーダーとして、コールセンターのリモート環境を整えることに第一線で注力。

  • 尾中 志穗(2007年中途入社)

    尾中 志穗(2007年中途入社)

    カスタマーサービス部を経て、2018年からブランド企画部へ異動。現在はセクションリーダーを務める2児の母。

  • 川本 紗矢香(2011年新卒入社)

    川本 紗矢香(2011年新卒入社)

    結婚を機に北海道へ移住。マーケティング部「すっぽん小町」ブランドマネージャーとして、仕事と子育てを両立しながらリモートで勤務。

Point

  • ていねい通販は、なぜここまで社員を信じる働き方を選んだのか。
  • 自由な制度の裏側には、どんな責任と支え合いがあるのか。
  • わくワークを通して、どんな働き方や会社の在り方を目指しているのか。

01.
自由は、
信頼から始まる

―まず最初に、「わくワーク」とはどういう制度なのか、改めて教えてください。

戸田 :

一言で言うと、フルリモート・フルフレックスの制度です。場所の制約もなく、時間の制約もなく、どこでいつ働いてもいい。深夜帯を除けば、何時に始めて何時に終わってもいいですし、月間の所定労働時間を自分たちで調整して満たす、という形になっています。

奥条 :

あと、一般的なフレックス制度との違いでいうと、コアタイムがないことですかね。

戸田 :

決まった時間に必ず働かなければいけない、というものがないので、そこはかなり大きな特徴だと思います。

―休憩の取り方も、特徴的だとお聞きしました。

奥条 :

そうですね。普通の会社だと、1時間抜ける時にその都度打刻したり、細かく申請したりすることが多いと思うんです。でも、うちは事後報告で大丈夫。

戸田 :

たとえば、お昼から3時間中抜けして、子どもの用事や病院に行ってきたとします。その場合も、最後にまとめて「今日は3時間休憩しました」と報告すればいい。細かく管理するというより、本人の申告を信じる運用になっています。

―かなり自由度が高い制度なんですね。一方で、今日は多くの方がオフィスにいらっしゃいるようにも見えます。出社については、今はどういうルールなんでしょうか?

戸田 :

コロナが明けてから、自分たちで話し合って決めた「推奨日」があります。月の最初の営業日ですね。ここは、できるだけみんなで顔を合わせようよ、という日です。

奥条 :

リモートの良さはもちろんあるんですけど、直接会うことの価値も再認識できたんですよね。だから、あえて集まる日をつくって、コミュニケーションを工夫しています。

戸田 :

カスタマーサービス部のメンバーは、お電話対応やチームでの連携が必要な部分もあるので、半分くらい出社していることもあります。ただ、ブランド企画やマーケティングの部署は、もっとリモート率が高い日も多いです。

―場所も時間も選ばない。それでも仕事が回り、成果が出ているそうですね。

奥条 :

はい。ただ、求職者の方には「自由でラッキー」とだけ思ってほしくないんです(笑)自由であることは、それだけ自分を律して成果を出すという、プロとしての強さが求められることでもあります。

尾中 :

自由度が高い分、自分で判断しなきゃいけない場面は多くなりますよね。今日はいつ働くのか、どこで集中するのか、誰に何を共有しておくのか。自分で考える力はどうしても必要になると思います。

02.
わくワークの原点

―「わくワーク」の原点には、本日もリモートで参加いただいている川本さんの存在があったとお聞きしました。

戸田 :

そうなんです。コロナで全社的にリモートへ移行する前から、川本が第一号として実績を作ってくれていました。あの時に会社としてアクセルを踏めたのは、彼女の存在が大きかったです。

―川本さんは、どういう経緯でリモート勤務を始めることになったのでしょうか?

川本 :

2017年の10月に、結婚を機に北海道へ引っ越すことになったんです。当時は、北海道に行くなら会社を辞めるしかないと思っていました。私自身も一度は「辞めます」と代表の古賀に伝えていましたし、結婚式でも「ああ、もう辞めちゃうんですね」という雰囲気がありました(笑)

戸田 :

でも、僕と古賀の中には、「結婚や引っ越しを理由に、仲間が離れていくのは諦めるしかないことなのだろうか」という思いがありました。出会ったからには、できれば長く働きたい。会社として、何かできることはないのか。そういう話を結婚式の帰りに二人でしていて、そこから少しずつ、離れていても働ける形を一緒に探し始めたんです。

川本 :

本当に手探りでしたよね(笑)当時はフルリモートで働いている人なんて一人もいなかったので。

―川本さん自身には、迷いもあったんじゃないでしょうか?

川本 :

そうですね。ただ、夫に「残りたい理由と、辞めた方がいいと思う理由を書き出してみたら?」と言われて、実際に書いてみたんです。そうしたら、圧倒的に残りたい理由の方が多かった。この会社が大好きだったし、まだやりたいこともたくさんありました。

戸田 :

迷っている川本に、古賀が言ったんです。「川本以外に誰が突破口になるねん!」って。制度が整った後に、それに乗ることは他の人でもできる。でも、逆風の中で先頭を走って突破できるのは、社内で信頼を積み重ねてきた人にしかできない。そういう期待があったんだと思います。

川本 :

その言葉で覚悟が決まりました。ただ、プレッシャーもすごくあって。私が「リモートじゃ仕事になりません」となったら、これから結婚や介護で離れなければいけない後輩たちに、「やっぱりリモートは無理だね」となってしまう。自分が失敗したら、後に続く人たちの選択肢を奪ってしまうかもしれないと思っていました。

―第一号であることは、未来の選択肢を背負うことでもあった。

川本 :

だからこそ、第一号として、絶対に成果を出さなきゃいけないと思っていました。

奥条 :

離れた場所でもちゃんと意思疎通できる、ってことを川本が証明してくれたんです。だからコロナが来た時に、「川本が実現してくれたんだから、みんなもできるはずだ」と信じることができた。そのおかげで、元々ていねい通販にあった「信じ抜く」という文化が、さらに育っていったと思います。

03.
コロナ禍でも、
孤独にさせない

―全社的なリモート移行のきっかけは、やはり2020年のコロナ禍だったのでしょうか?

戸田 :

完全にコロナですね。緊急事態宣言のタイミングでした。ただ、実はその前から、僕は経営陣の中でけっこう騒いでいたんです。中国や海外でロックダウンが始まって、これは日本にも絶対に来るなと思っていました。

尾中 :

当時はまだ、社内にも「考えすぎじゃないか」という空気がありましたよね。

戸田 :

僕としては、ロックダウンが起きた時に会社が止まることが最大の懸念でした。だから在宅勤務の体制を整えたいと、ずっと訴えていました。ただ、就業規則もシステムも整えないといけないし、お金もかかる。管理系やバックオフィスのメンバーからすると、「本当にできるの?」ってくらい重たい話だったと思います。

―そこで、まずは一部の部署から始めた。

戸田 :

はい。どこかのチームが先に実績を作っておけば、導入が早まるんじゃないかと思って。僕が管轄していたブランド企画部だけ、緊急事態宣言が出る1、2週間前くらいに「来週からみんなパソコンを持って帰って、在宅でやってみてくれませんか?」と伝えて始めました。

奥条 :

カスタマーサービス部(以下、CS)からすると、最初は「え、どういうこと?」という感じでした。コールセンターは会社に来て、隣に仲間がいて、お電話を取ってなんぼの世界じゃないですか。リモートでやるなんて非現実的だし、当時は少し無責任なんじゃないか、とすら感じていました。

尾中 :

本当にイメージがつかなかったです。お客様対応って、お電話を取ることだけではなくて、周りの空気を感じながら、困った時にすぐ相談できることも大事なんです。離れて働くことで、その温度感まで失われてしまわないかという不安はありました。

奥条 :

人と人のつながりを大事にするていねい通販が、バラバラになってどうするんだ、という感覚もありました。でも結果的には、先にブランド企画部で実績があったから、CSも急ピッチで動けたんです。

―CSのリモート化は、かなり大変だったのではないでしょうか?

奥条 :

大変でした。最初の1ヶ月はアルバイトの方には休んでもらい、社員も在宅へ移る中で、僕だけは会社に来てインフラを整えていました。家でお電話を取るにはどうすればいいのか、離れていてもチームでお客様に向き合える状態をどう維持するのか、毎日そんなことを考えるのに必死でした。でも、あの時は「仲間の命を守る」という大義名分が何より強かった。だからこそ、動けたんだろうなと思います。

戸田 :

結果的に、3ヶ月後にはCSも完全にリモート化が実現できました。他社さんから「どうやったんですか?」と問い合わせが来るくらいのスピード感でした。

―リモート化にあたって、業務以外で意識したことはありますか?

戸田 :

一番怖かったのは、みんなが孤独を感じてしまうことでした。だから、業務連絡だけではなくて、チャットの雑談チャンネルをあえて作りました。これは川本が2017年に一人でリモートを始めた時の経験が生きています。離れていても、仲間の温度感を感じられる場所を残したかったんです。

川本 :

私も北海道から雑談に参加していますけど、みんなのことを感じる場所があるだけで、離れていてもチームの一員だと感じられるんですよ。仕事以外のコミュニケーションがどれだけ大事かっていうのを日々感じていて。戸田がそういう場を作ってくれたことが、今のわくワークの文化につながっていると思います。

04.
信じてもらった分だけ、
返したくなる

―コロナ後、世の中では「やっぱり管理できないから、生産性が上がらないから、出社に戻そう」という動きもありますよね。

奥条 :

うちの不思議なところなのかもしれないですけど、なぜかみんなものすごく真面目に働いてくれてるんですよ(笑)

戸田 :

正直、サボろうと思えばいくらでもサボれる環境じゃないですか。日報もないし、監視ツールも入れていない。でも実際は、むしろ「休んでください」と言わなきゃいけないくらい、みんな働いてくれる。

奥条 :

CSでも、リモートに切り替えた当初は、数字が落ちるんじゃないかという不安がありました。でも蓋を開けてみたら、みんなめちゃくちゃ真面目にやってくれて、むしろ生産性が上がった面もありました。

尾中 :

たぶん、サボるよりも働く方が楽しいというか、幸せなんだと思います。自分を律して働くことが、結果的に自分の生活を豊かにしている実感がみんなにあるんじゃないかな。

―尾中さんご自身は、どんなところでそれを感じますか?

尾中 :

一番は子どものことですね。コロナで学校が急に休みになった時、もし出社しなければいけなかったらパニックになっていたと思います。わくワークがあるおかげで、子どもが帰ってきた時に「おかえり」と家で迎えてあげられる。親としては、本当に何物にも代えがたい安心感なんです。

川本 :

私も同じです。北海道で一人で仕事をしていますけど、孤独を感じるどころか、会社からこれだけ信じてもらっているんだから、その信頼を裏切りたくないという気持ちが強くなります。

戸田 :

それは大事なポイントだと思ってます。会社が社員を管理するのではなく、信じ切る。そうすると社員側は、もっと返したい、期待に応えたいという気持ちになる。わくワークは、単に楽をするためのものではなく、お互いの信頼関係で成り立っている制度なんです。

―信頼の土壌は、一朝一夕でできたものではないですよね。

奥条 :

そうですね。創業当時から古賀が、給与明細に手紙を添えてくれたり、毎朝スタッフ全員宛にメッセージを送ってくれたり、そんな小さな積み重ねが大きいと思います。社員一人ひとりをちゃんと見ているよ、信じているよ、というメッセージが浸透しているんです。

尾中 :

自分たちの何気ない行動や頑張りを見てくれている人がいるんだと思うと、この人の信頼を裏切るようなことはしたくない、という気持ちが自然に湧いてくるんですよね。

戸田 :

会社から信じてもらっている安心感がベースにあるから、自由を与えられても「ラッキー、サボろう」ではなく、「よし、期待に応えよう」というエネルギーに変わる。僕らはよく恩返しとか恩送りという言葉を使いますけど、まさにもらった優しさを仕事で返そうとする循環が起きているんです。

05.
自由は、みんなでつくる

―お話を聞いていると、わくワークは単に「自分が楽に働ける」という制度ではなく、組織のあり方そのものを変えたように感じます。

戸田 :

そうですね。意外な副産物だと思うのは、ていねい通販にはもともと「人に迷惑をかけてはいけない」という真面目な人が多かったんです。でも、フルフレックス・フルリモートの仕組みでは、誰かが不在の時間を誰かがカバーし合う。つまり、迷惑をかけ合う前提でないと成立しないんですよね。

奥条 :

本当にそうですね。自分勝手に自由を享受するのではなくて、お互いに助け合おう、甘え合おうという寛容さが、以前よりも増した気がします。

尾中 :

私も子育てをしながら、急な発熱で仕事を代わってもらうことがあります。昔なら「申し訳ない」という罪悪感でいっぱいになっていたと思います。でも今は、みんなが「お互い様」だと思えている。逆に仲間が困っている時は、次は私が力になろうと自然に思えます。

奥条 :

わくワークのおかげで、「ごめん」という謝罪よりも、「ありがとう」という感謝の言葉が日常的に飛び交うようにもなりました。自由は一人で成立させるものではなく、みんなで支え合うものなんだって当たり前が、みんなにも行き渡っている証拠なんじゃないかなと思います。

― 一方で、新しく入る方にとっては、最初からこの自由を使いこなすのは難しい面もあるんじゃないでしょうか?

戸田 :

そこは大きな課題でした。信頼関係がまだ構築できていない新しい仲間にとって、最初からフルリモート・フルフレックスというのは、実はかなりハードな環境なんです。誰がいつどこにいるかわからない。相談したくても声をかけづらい。そうなると、孤独感だけが強まってしまいます。

奥条 :

実際に、そこでミスマッチが起きて辞めてしまった新入社員もいて。自由という言葉の裏にある、コミュニケーションの難しさに気づかされました。

戸田 :

だから、今は運用をアップデートしています。新人さんや若手メンバーに対しては、最初の1、2年はあえて出社率を高めてもらったり、教育担当が横について顔が見える関係を作る時間を大切にしています。自由を使いこなすための、信頼の貯金を作る期間が必要なんだと思います。

尾中 :

若手への教育やフォローは、みんな以前より一層意識して一人ひとりの仲間に目を向けるようになったと思います。

戸田 :

わくワークは、完成された制度じゃないんです。一番大事にしたいのは「人それぞれ」です。制度自体が目的なのではなく、一人ひとりがパフォーマンスを最大化するための手段として使いこなしてほしい。だから、みんなの状況に合わせて形を変え続けていくものだと思っています。

06.
支え合う文化を未来へ

―これから入ってくる新しい仲間に向けて、伝えたいことはありますか?

戸田 :

制度の形だけを見てほしくない、ということですかね。自由で楽そう、という入り口で来られると、きっとその裏にある責任や他者への想像力の重さに耐えられなくなります。自分を律することができる強さと、仲間の状況を察して動ける優しさ。その両方を大切にしてほしいですね。

奥条 :

僕らが大切にしているのは、制度をマニュアル化して固定することではありません。時代や、その時々の仲間のライフステージに合わせて、この自由をどう使い、どう守っていくかを一緒に考え続けられる。そんな柔軟な感性を持った人を待っています。

―最後の質問です。今回の採用サイトでは、「優しさを未来へ」という言葉をコンセプトに掲げています。それを受けて、みなさんが今後も大事にしていきたい、残していきたいものはなんですか?

尾中 :

私たちの強みは、常にお客様や仲間の気持ちや生活を考え抜いて、ものづくりをしてきたことだと思っています。時代によって、人の心情や生活は変わっていきます。その変化に敏感であり続け、お客様や仲間が今どう感じているかを想像して、それに合わせて関係性やものづくりをアップデートしていく。相手に寄り添う想像力を、これからもつないでいきたいです。

奥条 :

ていねい通販が30年守り続けてきた根幹を、さらに深めていきたいです。人を信じ抜くことや、身近な人を大切にすること。わくワークという制度も一つの形ですが、大切なのはその根底にある哲学です。今の時代に合わせて恐れずに進化させながら、次の30年も色褪せない価値として磨き続けて、未来の仲間につないでいきたいです。

川本 :

私はこの制度があったからこそ、北海道への移住や子育てというライフステージの変化を乗り越えて、大好きな仕事を続けることができました。自分がこの環境に救われた経験を、今度は後に続く人たちへの恩送りに変えていきたいです。これから入ってくる仲間が、どんな状況にあっても安心して自分らしく働き続けられる。そんな土壌を耕し続けて、さらに豊かなものにして次世代へバトンタッチしたいと思っています。

戸田 :

僕は、わくワークを単なる便利なマニュアルやルールとして残すのではなく、その根底にある「もらった優しさを次につなげる循環」を継承したいと思っています。先ほどお話しした社長の手紙のように、僕たちは見守られ、信じられているという安心感の中で働いてきました。会社から信じてもらった喜びを、仕事を通じてお客様や仲間に返していく。この純粋な想いの連鎖を未来へつなぐことこそが、僕たちの世代の使命だと思っています。

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